政治

畑恵氏が「主役になり切れない日本の女性政治家」 について語る

Last Updated on 2024年3月7日 by mhci

主役になり切れない日本の女性政治家たち

世界に目を向けてみると、これまでに多くの女性政治家が登場し、いわゆる主役としてその国のトップ、それに近いポジションで頑張ってきました。

例えば、イギリスでは鉄の女と言われたサッチャー氏が長くイギリスの首相として活躍し、現在でもドイツの首相としてリーダーシップをとるメルケル氏がいます。

またあと一歩のところで手に届かなかったものの、アメリカのクリントン氏も大統領に最も近づいた女性として存在している状況です。

また女性のリーダーは世界的に存在するなど、男女に関係なく、実力のある人が選ばれている中で、日本だけはあまりそうした雰囲気にならないという現実があります。

日本の女性政治家の扱われ方は実に軽いものがあり、初当選議員などをチルドレンやガールズ、マドンナとしてまとめられ、まとめての紹介に留まっています。

選挙戦の報道でも、遊説中に涙を流しながら聴衆に訴えるとかどんな人に対しても頭を下げるなどの光景が目に入り、それが多くの人の関心を集めます。

客寄せパンダのような扱いを受け、結果的に女性が議員になっている率は先進国はおろか、アフリカの後進国よりも低いところがあるなど、到底先進国とは思えない状況に甘んじています。

私も女性政治家を目指そうという憧れのようなものが現時点で存在していないというのがポイントと言えます。

大まかなデータを見ていくと、日本で言う衆議院、世界における下院の女性議員の割合は1割にも満たない状況です。

参議院になると、これとは違う状況になるため、この数字に意外な反応を見せる人は多いかもしれませんが、参議院のように衆議院のカーボンコピーと言われるようなところでは多くの女性議員を擁立できるけど、政権交代に直結する衆議院ではそれが難しいと考える人が多い可能性があります。

日本では女性の割合を一定以上にするクオーター制の導入が検討されていますが、国会議員の既得権益にかかわる問題ということもあり、熱心な議論がなされていないというのが実情です。

参議院を含めて女性が一気に増えたのは元号が平成に変わってから直後の参議院選です。

この時はマドンナ旋風と呼ばれ、土井たか子氏が党のトップとして活躍し、与党がスキャンダル続きで惨敗を喫したのを契機に一気に勢いをつけていきました。

数えた方が早いくらい女性の数は少なかったのが特徴的でしたが、これでようやく2ケタの大台に乗り、現在では2割程度の女性議員がいる状態です。

ただこれでも多い方ではなく、少ない部類となります。

少なくとも4分の1以上の女性がいないことには女性の参政権が活発であると語る状況にないころは明らかです。

土井たか子氏は政治の舞台で主役を務めたこともあり、それから女性でもこれだけやれるという思いを持つ女性が増えてきています。

自治体レベルで見ると、2000年に入ってようやく女性初の知事が誕生し、各都道府県で何人か誕生してくるなど、徐々に自治体にもこうした風は吹きつつあります。

同じ女性が活躍しているのは刺激になり、政治を目指そうという動きになるものです。

国会レベルでみるといまだに客寄せパンダのような状況

ただ、国会レベルでみるといまだに客寄せパンダのような状況です。

選挙で見栄えがしやすいことや、党首や総裁、代表の隣に女性がいることで爽やかさを演出できるというのが非常に大きいとされています。

そんな状況で日本初の女性の総理大臣は誕生するのかですが、結論から言えばそれは十分に可能です。

条件は政策が語れるかどうかです。

「単に反対をするとか、男の政治家をヨイショしているだけでは総理大臣にはなれません。」と以前政治家だった畑恵氏が言っています。

自分がやりたいことを明確にしてそのためなら泥をすすってでも実現させてみせるという気概が必要

自分がやりたいことを明確にしそのためであれば泥をすすってでも実現させてみせるという気概が必要になります。

頑なに持論を主張し、折れることができない女性議員は非常に多く、これではヒステリーを起こしている人と変わりがありません。

交渉が物を言い、折り合いや駆け引きが求められる状況だからこそ、これができない限りは総理大臣にはなれないと言えます。

最近では女性実業家も幅を利かせるようになっており、いわゆるお金集めが簡単に行える人も珍しくありません。

これも総理大臣になるには重要であり、多くのコネクションを持ち、そこからお金をもらうような状況にしないと厳しいものがあります。

市民に根差した政治を目指すことは確かにすばらしいことですが、どこかのタイミングでその市民と敵対する場面が出てくるものです。

そこでブレてしまったら今までの苦労は水の泡です。

そうさせないためには、企業献金などを集められる人になることが大事です。

残念ながら、そこまで強力な人は少なく、結局は党から支給されるお金が頼りになっている部分があります。

市民に根差した政治を目指すとしても、そのエリアの人たちに問題を共有してもらうこと、その人たちが困っていることを知り、それを政策につなげていくことも大事です。

ここまでのことをしてようやく1人の政治家として一人前です。