日用品からアートまで籔内佐斗司の様々な側面ともつ陶磁器

生活のなかでは馴染み深い食器として使われている陶磁器は、100均ショップで買える安価なものから、何億円もする歴史ある芸術品まで、様々です。

一般的に「やきもの」と言われる陶磁器は、陶器と磁器の総称で特徴も異なります。

陶器と磁器の違いについて

陶器と磁器は、原材料と焼き上げる温度に違いがあるのです。

陶器の原料は陶土といわれる粘土で、800~1200度の温度で焼き上げられます。

叩くとコンコンとにぶい音がして、透明度はなく、水を浸透する吸水性があるため釉薬が施されています。

磁器の原料は石を砕いた粉と粘土を混ぜ合わせたもの、1300度の高温で焼き上げられます。

叩くと金属的な高い音がして、光を通す透光性があり、硬く水は通さないといった特徴をもちます。

日本の食器には陶器が多く、洋食器は白くツルツルした磁器が多いのです。

日本の陶器の歴史は縄文時代に遡る

食べ物を煮炊きする器として、土を焼き固めて丈夫な器を作り始めたのは、新石器時代といわれます。

器を使用することで食の幅が広がり、食生活に大きな変化をもたらしたのです。

陶磁器の歴史は非常に古く、起源を明らかにするのは難しいとされています。

中国では紀元前2400年頃から、ろくろの使用が始まり、エジプト、アッシリア、ペルシャでは純白な素地の陶器である精陶器が作られていました。

美しい形と装飾性が高い、幾何学模様で知られる古代ギリシャの陶器は、古代ギリシャの人々の暮らしや神話の神々の姿が描かれ高い芸術性をもち、考古学的価値の高さで知られます。

日本の陶器の歴史は、複雑な文様が特徴の縄文土器が始まりです。

赤みのある色と実用性が向上した弥生式土器、さらに薄くなり実用性が増した土師器(はじき)。

5世紀頃、朝鮮半島から伝わった登窯と呼ばれる地下式の窯を用いて1100度以上の高温で焼かれ、青灰色で硬く、食器または祭祀用として使われた須恵器(すえき)があり、主に西日本では須恵器、東日本では土師器が使われていたとされます。

飛鳥時代後半にはガラス質の釉薬を施した緑釉陶器、奈良時代にはカラフルな色の釉薬を使う中国の唐三彩の技術が伝えられ、日本でも黄色、緑、白の釉薬を用いた奈良三彩とよばれる、やきものが作られました。

日本六古窯

平安時代には、高い温度で焼かれる植物灰を釉薬に使用した灰釉陶器も作られました。

その後の、鎌倉、室町時代に、常滑(とこなめ)、信楽(しがらき)、備前(びぜん)、瀬戸(せと)、丹波(たんば)、越前(えちぜん)といった、現代にも伝わる有名なやきものが作られるようになりました。

これら6つの古い900年以上の歴史がある窯は、「日本六古窯」と呼ばれています。

常滑焼は、酸化鉄を発色させてつくられる赤い色が特徴です。

常滑焼の急須は、酸化鉄がお茶の成分であるタンニンと反応して、苦みや渋みをまろやかにしてくれるとされています。

・信楽焼

狸の置物で知られる信楽焼は、素朴な手ざわりと風合いが特徴です。

狸のイメージが非常に強い信楽焼ですが、室町時代には、千利休や多くに茶人に愛されていました。

狸が作られるようになったのは、昭和初期からなのです。

・備前焼

備前焼は、1200~1300度の高温で約2週間焼き締めるため、投げても割れないと言われるほど丈夫。

微細な気孔があり、通気性にも優れるため、花瓶や美味しくビールが飲めるビールグラスとして使用されています。

・瀬戸焼

瀬戸焼は、「せともの」と呼ばれ、日本のやきものの総称として呼ばれるほど、日常的に使われる食器類で見かける陶器です。

・丹波焼

丹波焼きは素朴な風合いが特徴。

1300度に達する登り窯によって、60時間焼成されます。

燃料である薪の灰が釉薬と溶け合って変化することで、「灰被り」とよばれる独特の模様や色が生まれ、観賞用としても喜ばれます。

・越前焼

越前焼は、常滑焼の技術を導入して作り始められたとされます。

あたたかみのある自然釉が魅力。

素朴で頑丈、日用品としても広く使われてきました。

自宅で手軽に陶磁器作りを楽しめる

この「日本六古窯」以外にも、久谷焼や美濃焼といった多くの窯元があります。

キッチンで最もお世話になるのは、食器や土鍋で知られる萬古焼。

18世紀頃、現在の三重県桑名の豪商、沼波弄山(ぬまなみろうざん)が創始とされています。

ツルツルと手ざわりが良く耐水性に優れ、匂い移りしにくいため、料理の道具として最適なのです。

現代では陶磁器作りは、気軽にご自宅で楽しむことができます。

オーブン粘土という、160~190度の低温で硬化する低温硬化粘土を使用すれば、ご家庭のオーブンで簡単に陶磁器を焼き上げることができるのです。

専用の防水、耐油コートを塗れば食器としても使用可能。

ろくろといった成形のための道具がなくても、指先でつまんで粘土を伸ばす、手ひねりの手法で味がある世界で1個の個性的な器を作ることができるのです。

もちろん、器だけではなく粘土細工の感覚で可愛い箸置きや、金具を接着すればピンバッジなどの雑貨も作ることができるのです。

お子様が作った粘土細工もオーブンで焼けば、籔内佐斗司さんのようなアートな逸品に仕上がるかもれません。

籔内佐斗司の作品販売「GALERIE AZUR」より